今や社会インフラといわれるまでに身近になっているのが、「SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)」です。
普及率の高い「インスタグラム」「X(旧Twitter)」は、マスメディア以上の影響力を持っているかもしれません。
多くのSNSサービスの中で、老若男女を問わず、最も購買行動に影響を与えるといわれているのが「インスタグラム」です。
元々は「インスタグラマー」と呼ばれる人達がバエる写真を投稿する敷居が高いSNSだと位置づけられていましたが、現在ではその訴求力の高さに着目した企業がプロモーション用で積極運用するまでに大衆化してきました。
しかし、インスタグラムの運用は簡単ではありません。多くの人の興味を引く画像や映像のコンテンツづくりは相当困難です。企業において、通常業務の片手間対応では大きな成果が得られないくらいにコンテンツはレッドオーシャン化しています。
そこで企業から支持を集めているのが「インスタグラム運用代行サービス」です。
インスタグラム運用のプロに、効果的なプロモーションから成果分析までを一気通貫で丸投げできるため、成果が出やすく、経営資源のロスを減少できます。
インスタ運用代行とは
インスタグラムの運用代行とは、自社のインスタグラムアカウント運用をすべて、または一部を代行してくれるサービスを指します。
近年のSNS運用は複雑化、高度化しており、高い専門性が必須になっているため、自社人材での対応が難しくなっています。
頑張って社内運用を開始しても、成果が出ず、結局放置してしまう事例が後を絶たないのです。
専門知識を持つプロに運用を依頼すれば、成果までの時間が節約でき、効率的な経営資源の配分が実現できます。
インスタグラム運用代行対応業務は以下が中心になります。
- アカウント設計や設定
- コンテンツ企画や制作
- 広告運用
- 分析や報告
インスタグラム運用代行会社は、規模の大小を問わず、多くの企業アカウントを運用し、ノウハウを蓄積しています。
自社で試行錯誤して遠回りするくらいなら、早期に成果が期待できる外注化も視野に入れるべきでしょう。
アカウント開設・設定
企業の場合、ビジネスに役立つさまざまな追加機能が使えるプロアカウント(ビジネスアカウント)の利用がおすすめです。
インスタグラムでの収益化、商品・サービスのマーケティングに活用する企業に適した形態です。プロアカウントは、個人アカウントから無料で切り替えられます。
インサイト機能
投稿のパフォーマンスを分析できる機能で、フォロワーの属性、投稿の視聴回数やエンゲージメント率などが確認できます。
Instagram広告の出稿
広告プラットフォームを使って、自社の商品・サービスを宣伝できます。
プロフィールへのお問い合わせボタンの追加
プロフィールにお問い合わせボタンを追加でき、ユーザーからの問い合わせを簡単に受け付けられます。
コンテンツ企画・制作
運用戦略策定
運用目的の明確化、運用方針、投稿内容の方向性などの戦略を決定します。 あわせて運用目的に沿ったKPIの設定、ターゲット・ペルソナの設定、運用ルールの設定を行います。
ブランドクリエイティブ
戦略や企画に基づきコンセプトを⾔語化し、ブランドメッセージを体現したクリエイティブを制作します。 投稿画像への文字入れ、ストーリーズ用の縦長画像・動画、イラストなどのクリエイティブを作成します。
撮影
戦略に合わせた画像・映像コンテンツを作成します。金額次第では、プロの作家の企画やプロカメラマンによる撮影にも対応できます。
ファン化
コンテンツを通じ、企業とユーザー間にインタラクティブなコミュニケーションを生み出し、ロイヤリティの高いファンを創出します。
広告運用
詳細なターゲティング
インスタグラム広告は「ユーザーの趣味や関心」「年齢」「性別」「職種」「交際ステータス」など、詳細なターゲティングができるメリットがあります。メールアドレスや電話番号から既存顧客にリーチできる「カスタムオーディエンス」、既存顧客と類似した特徴を持つ人にアップローチできる「類似オーディエンス」などのターゲティングも可能になります。
若年層や女性にリーチ
インスタ利用者は20代や女性ユーザーが多い特徴があります。高精度で若年層や女性を新規獲得できる広告媒体は少ないため、非常に有用です。
低予算
月額2万円〜3万円程度から広告配信可能です。指定金額に達すると配信停止され、状況に応じて予算やクリエイティブの変更・配信停止ができ柔軟な広告運用が可能になります。
分析・報告
月次でレポートを作成し、報告会などで共有します。現在の運用施策が設計時とズレていないかなど、細かな分析を行います。
インスタ運用代行のメリット
時間と労力を節約できる
インスタ運用代行の導入で以下の経営資源が節約できます。
人員確保や育成
自社でインスタ運用担当者を確保し育成するには、採用にはじまり、教育や研修と非常に多くの時間とコストがかかります。これを運用代行会社に丸投げすれば、本当に必要な業務に人的資源を集中投下できます。
コンテンツ企画や制作
コンテンツの飽和でターゲットに刺さる魅力的で尖ったコンテンツの企画・制作が至難の業になっています。運用代行会社は知見が蓄えられているため、正確なターゲット分析やトレンド調査ができ、撮影や編集も高品質です。質の高いコンテンツ制作を長期安定的に継続できます。
投稿や運用
インスタグラム運用は毎日投稿が基本ですが、写真撮影、キャプション作成、ハッシュタグ選定、コメント対応など、多くの作業が発生するため、多忙を極めます。運用代行会社はこれらを効率化していくので、高い投稿頻度が維持できます。
分析や改善
データ分析に基づいた効果測定や分析結果からの改善施策の検討には専門知識と経験が不可欠です。この経験がインスタグラム運用の最大のポイントなのです。運用代行会社は、データ分析ノウハウやツールを保有しているため、PDCAを高速回転できます。
ツールの選定や導入
インスタ運用には、投稿管理ツール、分析ツールなど、様々なツールとその活用テクニックが必要となります。運用代行会社は、これらのノウハウが豊富です。その他、キャンペーン企画やインフルエンサーマーケティング、トラブル対応などにも精通しているため、一気通貫での作業依頼が実現できます。また、関連して発生する様々な雑務を自社で消化するのは、非現実的だと理解できるはずです。運用代行会社を活用すれば、社員からの不平不満も解消できるでしょう。
効果的な運用を実現できる
計画的に成果を出すには、投稿後の分析が極めて重要になります。
エンゲージメント率やプロフィールクリック数、保存数などの指標をクロス分析し、反応の多寡を正しく理解していきます。
この業務は、プロの感覚の領域に近いので、必ずや外注化のメリットになるでしょう。
最新のトレンドを取り入れられる
閲覧傾向にもトレンドがあります。
一昔前の流行りは見向きもされなくなるばかりか、「古くてダサい」とブランド価値を毀損する恐れさえあるのです。
運用代行会社はトレンドに精通しているため、閲覧者からの好意的な反応が得られやすくなります。
客観的な視点で改善できる
自社でのアカウント運用では「きっといい反応を得られるはず」「顧客は好意的に解釈してくれるに違いない」との楽観的な思い込みが先行し、閲覧者の反応を見誤ってしまう可能性があります。
この甘い認識が、いわゆる「炎上」に直結するのです。
運用代行会社であれば、現実に即したシビアな判断をしてくれるので、トラブル発生リスクが低減します。
まとめ
インスタ運用代行は、人材確保・育成、コンテンツ制作、投稿・運用、分析・改善など、様々な時間と労力を節約できるサービスです。
状況にあわせて、部分的な利用も可能になるので、自社の弱点だけを補う外注化を考えてもいいでしょう。
インスタ運用代行でできること
アカウント開設・設定
まだアカウントを作成していない場合は、開設やプロフィール作成、運用方針策定など初期段階からの依頼も可能です。
投稿方針として、ペルソナ設定を行い、ターゲットを絞るなど、マーケティングの基礎部分から参入してくれる代行会社もあります。
また、ハッシュタグの設定などにも対応してくれます。
コンテンツ企画・制作
運用方針に基づき、投稿テキストや画像・動画を作成します。
プロの作家やカメラマンが対応する高額サービスもあります。
安定したクオリティの継続はもちろん、フィード投稿だけでなく、ストーリーズやリールなどの機能も使い分けながら、最短の成果につなげていきます。
最近は、ライブ配信を請け負う代行会社も多くなっています。
広告運用
新規のリーチ獲得のための広告提案や企画、運用、効果検証に対応します。
広告は、無駄な費用を発生させないためにも、媒体特性にあわせた戦略設計や運用が重要です。
出稿実績やノウハウがあるプロに運用を依頼すれば、より高い成果を上げられるようになります。
また、効果的な広告クリエイティブの制作、予算管理なども一括で受注する代行会社も増えています。
分析・報告
インサイト分析
1ヵ月に1回などのペースで、投稿コンテンツのリーチ数、いいね数、コメント数、アカウントのフォロワー数の推移などを分析して、運用レポートを作成します。アカウントに関連する数字だけでなく、投稿からサイトへの流入や商品購入数などの売上関連数値コンまでレポートしてくれる会社もあります。
改善提案
分析結果から、改善策を提示し、期待する成果への道筋を示してくれます。広告利用やプレゼントキャンペーン、インフルエンサー起用など、新たな効果的な取り組みを提案してくれる場合もあります。
インスタ運用代行サービスの選び方
サービス内容
代行会社により、サービス内容に差があります。
- 投稿用素材(クリエイティブ)の作成
- 投稿代行
- コメント確認 / 返信
- 運営データのレポート作成
- 定期ミーティング
- コンサルティング
- 広告運用代行
これらを自社のリソースに合わせ、全部または一部外注できます。
組み合わせの自由度などを確認しておきます。
実績
インスタ運用代行会社によって、得意とする業種・業界やジャンルは異なります。
選定の際は、目的との整合性を最優先にするといいでしょう。
また、運用支援実績数や成功事例も合わせて確認します。
同業他社のアカウント運用代行事例を参考に、提案力の高い代行会社を選びましょう。
期間
運用代行会社によっては、成果を出すために6ヶ月間~12ヶ月の継続契約を条件にしている場合があります。
短期間のお試し契約を希望する場合には事前に確認しておく必要があります。
料金
費用は内容次第ですが、投稿作成や簡易的なレポートなど基礎的なサービスを希望する場合は平均月額20〜50万円程度でしょう。
より高度なサービスでは月額50万〜70万円、高額プランでは月額100万円程度で、この価格帯になると、プロカメラマンの起用や広告出稿、コンサルティングなどを含み、ハイレベルでフルスペックの内容になります。
インスタ運用代行の料金
運用代行会社を利用する場合、業務委託範囲で費用は異なります。
契約は、期間の縛りがあり、それを都度更新するのが一般的で、契約期間が長くなるほどトータルコストは増えていきます。
初期費用
運用代行の初期費用相場は「0~30万円程度」です。
運用代行会社は、事前準備が発生するので、できれば人件費として初期費用を徴収したいのでしょうが、依頼側は、成果が出る前の支払いになるので、ややリスクと感じるでしょう。
月額運用費
代行範囲により金額は大きく異なるため、単純比較はできませんが、一般的な月額運用費は「10〜100万円」です。
10万円はお試しプランのような簡単な作業で、100万円は大企業向けのフルパッケージをイメージしてください。
いわゆる普通の作業依頼であれば「20〜50万円」のレンジ設定が多いようです。
広告による新規リーチ獲得業務やキャンペーン業務などを依頼する場合は、追加料金になります。
クリエイティブ制作
写真・動画投稿のコンテンツクリエイティブだけの外注化も可能です。
ABテストを重ね、クリエイティブを改善し、反応を確認する作業は予想以上に苦労の連続で、疲弊し、投稿が止まってしまうケースが多いはずですが、運用代行会社への外注であれば、この状況を改善できます。
写真や動画の撮影だけではなく、知見に基づいた文字入れや加工、編集なども行い、ユーザーの興味関心を引き、アクションを起こしやすいクリエイティブに仕上げてくれます。
相場は月額「10~40万円程度」で、作成数により上下します。
運用コンサルティング
自社で投稿や更新を行う場合、プロのコンサルティングを導入する手があります。
運用代行会社からの企画立案や投稿テーマ案、運用改善などの指南を受けることで結果を出しやすくなり、時間を有効活用できるようになるでしょう。
効果測定をセットにできるケースも多いので、PDACを回す上で便利です。
相場は、月額「5~30万円程度」です。
インスタ運用代行を選ぶ際の注意点
目的の共有
事前にゴールとなる成果地点を共有できる代行会社がおすすめです。
目的や求める成果によっては、SNSだけではなく、積極的な広告運用やマスPRなどとの組み合わせを予定しておく必要があります。
当然、事前の予算や収支計画が必要になります。
目的を共有し、グランドデザインを一緒に練り上げてくれる代行会社であれば、期待の成果が得られる可能性が高まります。
実績
運用代行業者の選択時は、業種・業界、商材など、近しい領域での運用実績が重要な指標になります。
ターゲット層
美容やファッションなど、女性に絞った運用を得意にする代行会社もあれば、高級車や腕時計など、富裕層に向けたアカウント運用を専門にしている代行会社もあります。最近では、女性ゴルファーをアイコンにして、男性ゴルファーを狙う手法も増えてきています。代行会社の得意領域と自社のターゲットを一致させると成果が出やすくなります。
サービス内容
近年は、BtoB向けサービスや採用に特化した代行会社も増えてきました。企業活動の中でも、特に「採用」に特化したニーズも旺盛なので、代行会社も手法確立に躍起となっています。多くの代行会社は、運用実績や事例紹介の一部を公表しているので、自社商品やサービス、または目的との類似性を確認しておきます。
料金
運用代行の選考過程で最も気になるのは「料金」でしょう。
サービスが細かくメニュー化されており、費用も明示してあれば安心できるでしょう。
最近は、対応範囲を曖昧にしたまま契約してしまったため、「やる/やらない」「言った/言わない」でトラブルになるケースも散見されています。
事前にサービス範囲を確認しておき、両社でしっかり合意しておきます。
担当者の経験
最後は、担当者との相性が重要になります。
有言実行で最後まで責任を持ってくれる担当者であれば、一任できるので安心です。
また、頻繁に連絡をくれ、節目での報告があれば信頼性は増すでしょう。
窓口となる担当者の人間性確認は必須です。