WEBマーケティングとは
WEBマーケティングの定義
WEBマーケティングとは、インターネットの各種技術を活用したマーケティング活動全般を指します。
多くのテクニックを駆使してサイトにアクセスを集め、商品・サービスの認知獲得や販売につなげていきます。
基本的な考え方はオフラインのマーケティング活動と大きな違いはありません。
近年ではオンラインとオフラインを融合させ、立体的なマーケティングをする手法も多く取り入れられています。
今後はリアルとバーチャルの壁も取り払われ、AIを駆使した、より高度なマーケティング手法が開発されると予測されています。
WEBマーケティングの種類
現在のWEBマーケティングの手法は幅広く、テクノロジーの進化によって、次々に新しいやり方が登場してきています。
その中でも最も一般的な手法は「SEO対策」でしょう。
SEO対策とは検索エンジン最適化のことで、WEBサイトをGoogleやYahooなどの検索エンジンで上位表示させる施策です。
検索結果の上位に表示させることで、アクセスを増やし、購入や資料請求などの目的行動に誘導していきます。
他には「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」などの広告運用による集客施策や今や古典的手法となった「メルマガ」、「Facebook」「Instagram」「Twitter」などのSNSを活用した認知拡大施策、コンテンツマーケティング、アフィリエイトなど、多岐にわたる手法があります。
WEBマーケティングの真価
近年のWEBマーケティングで重要になる要素は「データの収集」と「調査・分析」です。
獲得したアクセスからデータを取り、それを解析することで、効果的かつ効率的なマーケティング施策を打ち出します。
目の前の数字を追うことは間違いではありませんが、それだけでは本当の意味でのマーケティングとはいえません。
データを解析することで、まだ会っていない「未来の顧客」を創造するのです。
いわゆる「データサイエンス」です。
多面的な分析により、これまで知り得なかった重要な数字やそれに関する未知の指標までが見てくることがあります。
これにより、ビジネスそのものを改善していく。
これこそがWEBマーケティングの真髄なのです。
WEBマーケティングの歴史と変遷
1995年の「Windows 95」の発売により、本格的なインターネット時代の幕開けとなりましたが、この時代はまだWEBマーケティングのノウハウは確立されていませんでした。
その後、ブロードバンドの普及に伴い、PCの活用範囲は拡大し、徐々にWEBマーケティングの概念が形成されていきました。
そして、携帯電話が普及し、iモードなどのサービスが開始され、いつでも、どこでも情報に触れられる環境が整備されたことに伴い、いよいよWEBマーケティングは本格化していきます。
2000年代に入り、Googleが日本語での検索サービスを開始、Amazonなどのビッグテックが登場し、各企業も自社サイトの整備を進めていきました。
次第にブログ、mixi、Facebook、twitterといった各種SNSが普及しはじめ、WEB2.0と呼ばれた個人が情報を発信できる時代となり、2000年代後半にはスマートフォンが登場し、WEBマーケティングの手法は乱立することになります。
SNSによる双方向コミュニケーションにより、一般消費者の発言機会が急増します。
いわゆる「口コミ」です。
それに伴い、マス広告の威力は徐々に減退し、「検索」や「レビュー」のパワーが台頭してきました。
AIDMAからAISASへと、ユーザーの購買行動は確実に変化したのです。
現在では「リスティング広告」「ターゲティング広告」「SNS広告」など、お金でアクセスを買う手法を中心に、自然検索ユーザーをターゲットにした「コンテンツマーケティング」、拡散力のあるインフルエンサーを起用した「インフルエンサーマーケティング」など、WEBマーケティングの手法は複雑に深化しています。
コロナ禍以降、企業と顧客の接触機会が激減したことから、バーチャルのWEBマーケティングはますます重視される傾向にあり、今後はメタバースなどに主戦場が移行するといわれています。
WEBマーケティング会社とは
WEBマーケティングの基本的な手法には「SEO」「リスティング・ディスプレイ広告」「SNS広告」「サイト解析・コンバージョン改善」「サイト設計」「SNS運用」「MA・ CRM活用」「メールマーケティング」「コンテンツマーケティング」などがあります。
これらを単体で専門的に実施している会社もあれば、すべてを一気通貫で対応する総合的なWEBマーケティング会社もあります。
- WEBサイト(ホームページ)の制作、開設
- WEBサイト(ホームページ)のリニューアル
- LP(ランディングページ)の制作
- ECサイト(ネット販売サイト)の制作、開設
- WEB広告(リスティング広告、ディスプレイ広告など)
- SEO対策
- SNS対策
- コンテンツサイト制作(企業ブログやオウンドメディアなど)
- WEB接客ツールの導入や改善
これら施策の中から、最適なものを選び、時には掛け合わせて実施することで最大の成果を出していくのです。
自社のWEBマーケティングニーズを整理する
WEBマーケティングの目的
WEBマーケティング会社は得意分野や成り立ちなどに大きな違いがあります。
例えば、マス広告代理店に起源を持つ会社もあれば、イベント制作会社から派生した会社もあります。
また、アドバイスだけに特化した広告コンサルティング系の会社もあります。
つまり、各社の強みが違うのです。
個別の特徴を持つWEBマーケティング会社の中から、ベストな発注先を見つけ出すには、なにが必要でしょうか。
それはなにより「自社のニーズ」です。
なにがしたいのか。
どんな成果を得たいのか。
まずはこれを明確にしなければいけません。
具体的には「目的・目標は何か(月間どれくらいの問い合わせ・売上がほしいのか)」「やりたい施策は何か」「予算」「期間」「KPI」などです。
例えば、WEBサイトへの訪問者数に課題がある場合は集客施策を行う必要がありますし、ユーザーの離脱率が高い場合には、サイト動線やコンテンツの内容が疑われるため、動線改善やコンテンツマーケティングに取り組むのが常道になります。
問題改善のための全体方針が確定しているのであれば、対応施策を専門的に行っているWEBマーケティング会社を選びます。
一方で、方針が具体化していない場合は、コンサルティングサービスのある会社がいいかもしれません。
ともかく「ニーズ」を明確にしなければ、施策が確定できません。
なにより、これを決めることがスタートになります。
実施すべき施策を検討
上記の通り、WEBマーケティングには多くの施策があります。
ある手法を単独で実施することもあれば、複数の施策を併用することもあります。
目的、予算、KPIなどによって、施策と順序を検討していくことになりますが、この選択を誤ると成果は出ず、赤字プロジェクトになってしまいます。
ここがWEBマーケティング会社の腕の見せどころになるわけです。
WEBマーケティング会社は、アクセス解析やデータ分析の結果から、クライアントにとって最適な施策を選択し、実施すべき正しい順序を決定していきますが、ここで力量の差が出ます。
課題は複合的であることも多く、予算にも制限があるため、課題と解決策のバランスが重要になるのです。
施策期間を検討
WEBマーケティングを実施する場合は、期間を設定する必要があります。
具体化には短期施策と長期施策のふたつがあります。
短期施策には、キャンペーン用のWEB広告やランディングページ(LP)などがあり、長期施策には、企業オウンドメディア、メールマーケティング、公式SNS運用など、顧客満足度を向上させ、ロイヤリティの高いファンを作るための気の長い施策があります。
WEBマーケティング会社は、アクセス解析の結果などから、短期施策と長期施策のバランスの取れた戦略を構築しますが、その基礎となるのは実施期間なのです。
WEBマーケティング会社の選定
WEBマーケティングの方向性が決定したら、施策に対応できるWEBマーケティング会社を複数社選定し、サービス範囲や強みなどを確認します。
専門分野だけではなく、WEBマーケティング全体に関する知見や複数施策の同時実施スキルなども事前に調べておくといいでしょう。
具体的な専門スキル、資格保有者の人数、公式SNSや会社のホームページなども確認し、組織的なセンスも調べておきます。
検索エンジンでの上位表示が実現できる能力があるかも重要な指標になります。
実績の確認
WEBマーケティングの具体的な実績を確認します。
依頼したい内容に近い過去事例とその結果、各施策の個別成果も調べます。
また、類似業界・商材・サービスでの事例、関連する知見があるかどうかも重要なポイントになります。
WEBマーケティング会社の選び方
WEBマーケティング会社の選び方のポイントをご紹介します。
自社オウンドメディアの所有
WEBマーケティング会社によるオウンドメディア(企業ブログ、ポータルサイトなど)運営有無を確認します。
実際にオウンドメディアを運用するのは大変です。
サイトはあっても更新が滞っているようでは結果が出ていないはず。
また検索上位に表示されない場合はSEOのノウハウが足りない可能性があります。
動画などを取り入れ、コンテンツを充実させている場合は、相応の経験を有しており、信用に足ると思われます。
得意分野の確認
WEBマーケティングは多岐にわたるため、できるだけ幅広いジャンルに対応できる会社が望ましいのは言うまでもありません。
計画の運用途中で、さらに施策が追加されることも珍しくないので、柔軟性があるに越したことはないのです。
「タッチポイントの多様化」「カスタマージャーニーに合わせた横断的対応」など、周辺業務への対応もポイントになるでしょう。
WEBマーケティングの効果を最大化できる会社を選ぶべきなのです。
オフライン施策の対応
顧客行動はオンライン上だけで完結するとは限りません。
オフラインとの融合が求められるシーンも多いのです。
「店舗来場数」や「イベント集客数」など、オンライン上の施策が計測のゴールになる場合もあるので、リアルマーケティングにも対応できるWEBマーケティング会社であれば安心できます。
中小規模のWEBマーケティング実績
WEBマーケティングは規模の大小に関わらず、かかる手間はあまり変わらないので、WEBマーケティング会社はできるだけ大規模の案件を手掛けたいと考えます。
あまり予算がない中小・ベンチャー企業がWEBマーケティング会社を選ぶ際には、小規模案件でも対応してくれる会社を積極的に選びましょう。
包み隠さず、「中小企業のクライアントはいるか?」「中小企業の売上に貢献した実績があるか?」を聞いてしまいます。
中小・ベンチャー企業特有の低予算施策もあるので、その対応もポイントになります。
WEBマーケティング会社の選定は、知名度や大手の安心感が優先されがちですが、中小・ベンチャー企業にとっては、「ただ高いだけ」「成果が出ない」こともあると理解してください。
コミュニケーション能力
WEBマーケティング成功のポイントのひとつはコミュニケーションです。
WEBマーケティング会社の担当者とのスムーズなやり取りが成功の必須要因になります。
WEBマーケティングはPDACを回すことが基本で、都度の調整や修正が必須となるため、担当者との電話やメールが欠かせません。
つまり、担当者の能力が成功要員の大部分を占めてしまうといっても過言ではないのです。
担当者の第一印象や会話の内容などで発注先を決めてしまってもいいくらいです。
成果を出すWEBマーケティング会社の特徴
成果を出してくれるWEBマーケティング会社にはいくつかの共通した特徴があります。
成功事例を公表している
成果を出すWEBマーケティング会社のホームページには具体的な成功事例が公表されているケースが多いようです。
成功事例とは、きれいなホームページを作った実績ではありません。
売上向上や問い合わせ数増加といったKIPに基づいたWEBマーケティングの成功事例を指しています。
より具体的な数値を公表しているWEBマーケティング会社は堂々とした実績があり、信頼できるでしょう。
見積書にマーケティング費用が入っている
WEBマーケティング会社を選定する際、決定的な要素になるのはやはり「金額」ですが、絶対額だけで判断してはいけません。
本当に成果を出すWEBマーケティング会社は、多くの場合、「WEBマーケティング費用」を計上するため、金額がやや高めになる傾向があります。
比較的小規模なWEBマーケティング会社は事前調査などを行わないことがあります。
それに対し、成果を出すWEBマーケティング会社は、事前にヒヤリングをして、入念な準備をするので、その分の費用を計上するのです。
当然、その分高額になりますが、それだけ本気で取り組んでいることの証左でもあるのです。
単純に高い/安いではなく、その内容で精査すべきです。
コンサルティングメニューの有無
多くのWEBマーケティング会社は手間のかかるクライアントを敬遠します。
なるべく手離れをよくし、次々に新規顧客を獲得したがります。
一方、成果を出すWEBマーケティング会社はコンサルティングを重視します。
WEBマーケティングで成果を出すためには、なにより聞き取りが重要。
ひとつの施策に留まらず、幅広い視点を持ち、複合的な施策で結果を出し続けるためには、事前の合意が欠かせないからです。
WEBマーケティングの施策だけで戦略を考えるのではなく、課題から目標達成までに何が必要かを常に考えて、打ち手を思考、そして実施する。
それにはコンサルティングが不可欠なのです。
特に、課題や目標が不明瞭という会社は事前のコンサルティングが必要ですし、長期のビジョンがない場合もコンサルティングメニューがあるWEBマーケティング会社を選ぶことをおすすめします。