運輸業・郵便業の特色や代表する企業|物流や鉄道・航空

私たちの経済活動を支える基盤産業である「運輸業」と「郵便業」は、物や人を効率的かつ安全に移動させる役割を果たしています。

毎日利用する電車やバス、指定した時間に届く宅配便。

スーパーに並ぶ大量の商品や海外からの輸入品も、運んでくれる人がいなければ成立しないのです。

特に近年では、電子商取引(EC)の急拡大や国際的な供給チェーンの進化に伴い、運輸業,郵便業の重要性がますます増大しています。

運輸業には、陸運・海運・航空輸送の形態があり、それぞれの分野で専門性が発揮され、また連携がなされ、大量の人流と物流を消化してきます。

国内輸送ではトラックや鉄道による物流が中心となり、大量かつ迅速な輸送を実現する一方で、国際輸送では航空貨物やコンテナ船が活躍し、世界中の市場や消費者を繋げています。

郵便業は、日本郵便や宅配便業者による文書や小包の配達を通じて、コミュニケーションや商品受け取りを実現しています。

  1. 運輸業・郵便業とは
  2. 運輸業・郵便業の特色とその重要性
    1. 国内における運輸業・郵便業の役割
    2. グローバル市場における運輸業の位置付け
  3. 産業分類の運輸業・郵便業
    1. 小分類~細分類
      1. 中分類 42  鉄道業
      2. 中分類 43  道路旅客運送業
      3. 中分類 44  道路貨物運送業
      4. 中分類 45  水運業
      5. 中分類 46  航空運輸業
      6. 中分類 47  倉庫業
      7. 中分類 48  運輸に附帯するサービス業
      8. 中分類 49  郵便業(信書便事業を含む)
  4. 代表的な運輸業・郵便業の企業
    1. 道路貨物運送業の主要企業
      1. 日本郵便株式会社
      2. ヤマト運輸株式会社
      3. 佐川急便株式会社
      4. NIPPON EXPRESSホールディングス
      5. JR貨物(日本貨物鉄道株式会社)
    2. 鉄道業の主要企業
      1. 東日本旅客鉄道
      2. 西日本旅客鉄道
      3. 東海旅客鉄道
      4. 小田急電鉄
      5. 京浜急行電鉄
      6. 東急
      7. 京王電鉄
    3. 道路旅客運送業の主要企業
      1. 新潟交通
      2. 神奈川中央交通
      3. 北海道中央バス
    4. 航空運輸業
      1. ANAホールディングス
      2. 日本航空
      3. AIRDO
      4. ソラシドエア
      5. スターフライヤー
    5. 水運業
      1. 日本郵船
      2. 商船三井
      3. 川崎汽船
      4. 明治海運
      5. 飯野海運
    6. 倉庫業
      1. 三菱倉庫
      2. 三井倉庫ホールディングス
      3. 住友倉庫
      4. 澁澤倉庫
      5. 安田倉庫
  5. 運輸業・郵便業の市場規模と展望
    1. 国内市場の現状と規模
    2. 労働力不足と高齢化
      1. 労働力不足の影響
      2. 高齢化によるリスク
    3. CO₂排出量増加と環境問題
      1. 運輸業が抱える環境負荷
      2. 持続可能な取り組みが必要
    4. 輸送インフラの老朽化
      1. 日本のインフラの現状
      2. メンテナンス費用の増加
    5. 物流量の増加と効率性
      1. EC市場の成長がもたらす影響
      2. 効率化の難しさ
    6. 技術革新の遅れと導入コスト
      1. 新技術への対応状況
      2. 導入コストの高さ
  6. テクノロジーが運輸業・郵便業に与える影響
    1. DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展
    2. 自動化・AIの導入事例
  7. まとめ

運輸業・郵便業とは

日本標準産業分類「大分類 H」にカテゴリーされている運輸業・郵便業は、物資や人の移動を担い、社会・経済活動を支える基盤的な産業です。

どんなビジネスにも上流と下流があり、それを輸送でつなげていきます。

運輸業は物流だけではなく、旅客輸送を含み、具体的には、どれもお馴染みだと思われますが、鉄道業、道路旅客運送業、道路貨物運送業、水運業、航空運輸業、倉庫業、運輸に附帯するサービス業が該当します。

運輸業は、効率化の観点から、貨物輸送、旅客輸送、海運、航空輸送などの細分化が進みながら、それぞれが連携し、効率化を進めています。

郵便業は文書や小包などの配送を中心に展開されていますが、電子メール全盛の時代であっても、国内外の市場で重要な役割を果たし、社会のインフラの一部として欠かせない存在になっています。

特に、郵便業では電子商取引(EC)の急拡大により、小口配送サービスの需要が急増しており、効率化と省力化が社会課題になっており、一部地域ではロボットによる小口配達がテストされています。

運輸業・郵便業の特色とその重要性

国内における運輸業・郵便業の役割

整備された道路網や鉄道網によって、地方経済から都市経済までを効率的につなげるようになりました。

鉄道輸送は安心・安全での信頼性が高く、都市部の通勤や観光地へのアクセスに欠かせないインフラになっています。

特に各地域で新幹線が開通、また各地の空港整備により、日帰りが容易になりました。

物流においてはトラック輸送が約90%のシェアを占めており、倉庫との連携でより効率的な輸送を目指しています。

郵便業については、全国津々浦々の地域密着型サービスが特徴であり、日本郵便株式会社がその中心的役割を担っています。

グローバル市場における運輸業の位置付け

グローバル規模では、海運業や航空貨物輸送業が世界中の貿易を支える主力産業となっています。

特にアジア地域では、急成長する経済圏を背景にコンテナ輸送量が増加しています。

また、コロナ禍で海運の需要が急増し、改めてその価値が見直されています。

今後の需要を見込み、港湾設備や空港施設の拡張が進行中です。

産業分類の運輸業・郵便業

日本標準産業分類では、運輸業・郵便業は「大分類 H」に位置付けられます。

中分類は、鉄道業、道路旅客運送業、道路貨物運送業、水運業、航空運輸業、倉庫業、運輸に附帯するサービス業、郵便業(信書便事業を含む)に分けられます。

いずれも経済活動の中核をなすと同時に、生活を支える基盤としての価値が高いといえます。

特に物流は他産業との強い連携が特徴で、震災などで物流網が寸断されると、経済活動が一気に停滞し、スーパーの棚から商品が消えてしまう現象が発生します。

それほど、物流の影響は大きいのです。

小分類~細分類

中分類 42  鉄道業

  • 420  管理,補助的経済活動を行う事業所(42鉄道業)
    • 4200  主として管理事務を行う本社等
    • 4209  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
  • 421  鉄道業
    • 4211  普通鉄道業
    • 4212  軌道業
    • 4213  地下鉄道業
    • 4214  モノレール鉄道業(地下鉄道業を除く)
    • 4215  案内軌条式鉄道業(地下鉄道業を除く)
    • 4216  鋼索鉄道業
    • 4217  索道業
    • 4219  その他の鉄道業

中分類 43  道路旅客運送業

  • 430  管理,補助的経済活動を行う事業所(43道路旅客運送業)
    • 4300  主として管理事務を行う本社等
    • 4309  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
  • 431  一般乗合旅客自動車運送業
    • 4311  一般乗合旅客自動車運送業
  • 432  一般乗用旅客自動車運送業
    • 4321  一般乗用旅客自動車運送業
  • 433  一般貸切旅客自動車運送業
    • 4331  一般貸切旅客自動車運送業
  • 439  その他の道路旅客運送業
    • 4391  特定旅客自動車運送業
    • 4399  他に分類されない道路旅客運送業

中分類 44  道路貨物運送業

  • 440  管理,補助的経済活動を行う事業所(44道路貨物運送業)
    • 4400  主として管理事務を行う本社等
    • 4409  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
  • 441  一般貨物自動車運送業
    • 4411  一般貨物自動車運送業(特別積合せ貨物運送業を除く)
    • 4412  特別積合せ貨物運送業
  • 442  特定貨物自動車運送業
    • 4421  特定貨物自動車運送業
  • 443  貨物軽自動車運送業
    • 4431  貨物軽自動車運送業
  • 444  集配利用運送業
    • 4441  集配利用運送業
  • 449  その他の道路貨物運送業
    • 4499  その他の道路貨物運送業

中分類 45  水運業

  • 450  管理,補助的経済活動を行う事業所(45水運業)
    • 4500  主として管理事務を行う本社等
    • 4509  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
  • 451  外航海運業
    • 4511  外航旅客海運業
    • 4512  外航貨物海運業
  • 452  沿海海運業
    • 4521  沿海旅客海運業
    • 4522  沿海貨物海運業
  • 453  内陸水運業
    • 4531  港湾旅客海運業
    • 4532  河川水運業
    • 4533  湖沼水運業
  • 454  船舶貸渡業
    • 4541  船舶貸渡業(内航船舶貸渡業を除く)
    • 4542  内航船舶貸渡業

中分類 46  航空運輸業

  • 460  管理,補助的経済活動を行う事業所(46航空運輸業)
    • 4600  主として管理事務を行う本社等
    • 4609  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
  • 461  航空運送業
    • 4611  航空運送業
  • 462  航空機使用業(航空運送業を除く)
    • 4621  航空機使用業(航空運送業を除く)

中分類 47  倉庫業

  • 470  管理,補助的経済活動を行う事業所(47倉庫業)
    • 4700  主として管理事務を行う本社等
    • 4709  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
  • 471  倉庫業(冷蔵倉庫業を除く)
    • 4711  倉庫業(冷蔵倉庫業を除く)
  • 472  冷蔵倉庫業
    • 4721  冷蔵倉庫業

中分類 48  運輸に附帯するサービス業

  • 480  管理,補助的経済活動を行う事業所(48運輸に附帯するサービス業)
    • 4800  主として管理事務を行う本社等
    • 4809  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
  • 481  港湾運送業
    • 4811  港湾運送業
  • 482  貨物運送取扱業(集配利用運送業を除く)
    • 4821  利用運送業(集配利用運送業を除く)
    • 4822  運送取次業
  • 483  運送代理店
    • 4831  運送代理店
  • 484  こん包業
    • 4841  こん包業(組立こん包業を除く)
    • 4842  組立こん包業
  • 485  運輸施設提供業
    • 4851  鉄道施設提供業
    • 4852  道路運送固定施設業
    • 4853  自動車ターミナル業
    • 4854  貨物荷扱固定施設業
    • 4855  桟橋泊きょ業
    • 4856  飛行場業
  • 489  その他の運輸に附帯するサービス業
    • 4891  海運仲立業
    • 4899  他に分類されない運輸に附帯するサービス業

中分類 49  郵便業(信書便事業を含む)

  • 490  管理,補助的経済活動を行う事業所(49郵便業)
    • 4901  管理,補助的経済活動を行う事業所
  • 491  郵便業(信書便事業を含む)
    • 4911  郵便業(信書便事業を含む)

代表的な運輸業・郵便業の企業

道路貨物運送業の主要企業

日本国内には運輸業・郵便業において業界をリードする企業がいくつも存在します。

日本郵便株式会社

郵便業務と宅配便を統括する企業で、全国ネットワークを持つガリバー企業です。

日本郵便株式会社

郵便業務、銀行窓口業務、保険窓口業務、印紙の売りさばき、地方公共団体からの受託業務、前記以外の銀行業、生命保険業及び損害保険業の代理業務、国内・国際物流業、不動産業、物販業など

ヤマト運輸株式会社

クロネコでお馴染みの宅急便サービスのパイオニアで、個人・法人向け配送を幅広く展開しています。

ヤマト運輸株式会社

宅急便・クロネコメール便を中心とした一般消費者・企業向け小口貨物輸送サービス事業

佐川急便株式会社

飛脚のマークがシンボルで、個人宅配だけでなく、法人向け物流サービスにも強みを持ちます。

佐川急便株式会社

宅配便など各種運送にかかわる事業

NIPPON EXPRESSホールディングス

国内外で総合物流サービスを展開する日本を代表する企業で、グローバルネットワークを活かし、輸送から倉庫保管まで幅広いサービスを提供しています。

NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社

JR貨物(日本貨物鉄道株式会社)

鉄道貨物輸送の中核を担い、環境負荷の少ない物流を実現しています。

日本貨物鉄道株式会社

1.貨物鉄道事業 2.倉庫業 3.駐車場業 4.広告業 5.損害保険代理業その他の保険媒介代理業 6.一般土木・建築の設計、工事監理及び工事業 7.不動産の売買、賃貸、仲介及び管理業

鉄道業の主要企業

東日本旅客鉄道

JR東日本は日本最大級の鉄道事業者であり、首都圏を中心に広範囲な鉄道ネットワークを提供、地域輸送と観光振興に寄与しています。

東日本旅客鉄道株式会社

東日本旅客鉄道株式会社が設置体の総合病院で社員・家族の福利厚
生と地域の皆様のために開設された病院です。確かな技術ヒューマ
ニティで最高水準の医療を提供しています。

西日本旅客鉄道

JR西日本は関西を中心に広範囲な鉄道網を運営する大手鉄道会社で、地域の交通インフラを支え、観光振興にも貢献しています。

西日本旅客鉄道株式会社

1.旅客鉄道事業 2.関連事業(不動産賃貸業等) 3.その他(病院等)

東海旅客鉄道

JR東海は東海道新幹線を中心に運行を展開する鉄道会社で、首都圏と関西を結ぶ重要な交通インフラを担っています。

東海旅客鉄道株式会社

東海道新幹線の運営を軸とした鉄道事業、関連事業(流通業、不動産業、ホテル業、旅行業など)

小田急電鉄

東京(新宿)と神奈川(小田原・箱根など)を結ぶ鉄道網を運営し、利便性の高い通勤路線と観光地へのアクセスを提供、地域発展に寄与しています。

小田急電鉄株式会社

鉄道事業、不動産業、その他事業

京浜急行電鉄

東京(品川)と神奈川(三浦方面など)を結ぶ鉄道網を運営し、空港や観光地へのアクセスが良好で、地域交通を支える重要な役割を担っています。

京浜急行電鉄株式会社

・交通事業 ・不動産事業 ・レジャー・サービス事業 ・流通事業 ・その他事業

東急

東京(渋谷)と神奈川(横浜方面など)を中心に広がる鉄道網を運営し、都市部の通勤路線や観光地へのアクセスを提供し、地域の活性化に貢献しています。

東急株式会社

鉄軌道事業、不動産事業等

京王電鉄

東京(新宿)を中心に多摩地域へ広がる鉄道網を運営し、通勤路線や観光地へのアクセスが便利で、地域の交通インフラに貢献しています。

京王電鉄株式会社

・鉄道事業 ・土地、建物の賃貸業・販売業など

道路旅客運送業の主要企業

新潟交通

新潟市を中心にバスや観光交通サービスを提供し、地域の公共交通を支え、住民や観光客に利便性を提供しています。

新潟交通株式会社

旅客運送事業、一般旅行業、航空代理業、不動産業

神奈川中央交通

神奈川県を中心にバス事業や観光交通サービスを提供し、地域の公共交通を支え、利便性と快適性の向上に貢献しています。

神奈川中央交通株式会社

・旅客自動車運送事業(バス) ・不動産業 ・飲食、娯楽業 ・ホテル業

北海道中央バス

北海道内で幅広いバス路線を運営し、地域住民と観光客に便利な交通手段を提供する企業で、地域の生活と観光を支えています。

北海道中央バス株式会社

一般旅客自動車運送事業(乗合・貸切)

航空運輸業

ANAホールディングス

航空輸送を中心に、旅行、物流、ITサービスなど多岐にわたる事業を展開する持株会社で、グループ全体で質の高いサービスと新たな価値を提供しています。

ANAホールディングス株式会社

日本航空

航空輸送を中核に、安全運航を最優先に掲げ、航空業界における品質基準の向上に寄与しています。グローバルな視点を持つ点が特徴です。

日本航空株式会社

1. 定期航空運送事業及び不定期航空運送事業 2. 航空機使用事業 3. その他附帯する又は関連する一切の事業

AIRDO

航空輸送を通じて地域と人々を結びつける役割を担い、独自の運航戦略を基盤に、航空業界の中で新たな価値を創出し続けています。

株式会社AIRDO

ソラシドエア

柔軟な運営戦略と独創的な発想を活かしつつ、地域特性を重視したアプローチや利用者目線を反映したサービス展開が際立っています。

株式会社ソラシドエア

定期航空運送事業等

スターフライヤー

洗練されたサービスと独自の運航コンセプトを提供する企業で、利用者目線での細部への配慮が特徴です。革新的な発想をもとに次世代の空の旅を提案しています。

株式会社スターフライヤー

航空輸送

水運業

日本郵船

日本郵船株式会社

海運業

商船三井

株式会社商船三井

外航海運業

川崎汽船

川崎汽船株式会社

海上運送業、陸上運送業、航空運送業、陸海空通し運送業、港湾運送業等

明治海運

明海グループ株式会社

飯野海運

飯野海運株式会社

外航海運業、不動産業

倉庫業

三菱倉庫

三菱倉庫株式会社

倉庫事業 陸上運送事業 港湾運送事業 国際輸送取扱事業 不動産事業

三井倉庫ホールディングス

三井倉庫ホールディングス株式会社

主な営業種目: 倉庫業 港湾運送業 国内運送業 国際運送取扱業 不動産賃貸業

住友倉庫

株式会社住友倉庫

澁澤倉庫

澁澤倉庫株式会社

主な営業種目: 倉庫業 陸上運送業 海上運送業 港湾運送業 不動産賃貸業

安田倉庫

安田倉庫株式会社

倉庫業 運送取扱業 港湾運送業 通関業 物流機器の販売・賃貸業 物流情報システムの開発・運営業 不動産業 建設設備の販売・賃貸業 その他関連事業

運輸業・郵便業の市場規模と展望

国内市場の現状と規模

日本の運輸業・郵便業の市場規模は、約20兆円に達するとされています。

少子化の影響で鉄道業は長期的に苦しい経営を強いられそうですが、ECの普及により、小口配送の需要が高まっており、今後も宅配便業界の成長が見込まれています。

労働力不足と高齢化

労働力不足の影響

日本の運輸業では、深刻な労働力不足が大きな課題となっています。

過酷な労働条件のトラック運転手や物流業務に従事する労働者の平均年齢が上昇し、新規参入者が少ない状況が続いており、このままではロジスティクス網の維持が難しくなると懸念されています。

トラックドライバーの平均年齢は40~50代で、20~30代の若年層の割合が極端に少なく、長時間労働や不規則な勤務時間、かつ低賃金が新たな人材採用の妨げになっています。

高齢化によるリスク

就労者の高齢化は事故発生リスクを増加させ、その事故により、また若者の参入を遠ざけてしまうという悪循環に陥る可能性を秘めています。

また、高齢化の進展でサービス品質が低下し、顧客の信頼を失ってしまえば、運輸業界自体の地盤沈下につながりかねません。

CO₂排出量増加と環境問題

運輸業が抱える環境負荷

運輸業は化石燃料に大きく依存しており、温室効果ガス(GHG)排出量の主要な原因になっています。

日本では運輸部門のCO₂排出量が全体の約20%を占めているため、業界全体での取り組みが求められています。

持続可能な取り組みが必要

近年、低公害車両(EVトラックや水素燃料車)の導入や効率的な配送ルート設計(AIによるルート最適化)が進められていますが、コスト面や技術の普及が追いついていない現状があります。

輸送インフラの老朽化

日本のインフラの現状

高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が喫緊の課題になっています。

首都高速は初回の東京オリンピックの際に開通しているため、すでに60年以上が経過しており、全体的なメンテナンスが不可避な状態です。

全国の約4割の橋梁が建設から50年以上経過しており、こちらも大事故に至る前の早急な対応が求められています。

また、橋梁だけではなく、トンネル、港湾施設などの維持管理にも今後多額の費用が必要になります。

メンテナンス費用の増加

老朽化したインフラの修繕には多額の予算が必要で、これが国や自治体とって大きな負担となっています。

その結果、特に地方では適切な維持管理が行われないケースが散見され、全国一律のサービス網が保全できなくなるリスクが危惧されています。

物流量の増加と効率性

EC市場の成長がもたらす影響

電子商取引(EC)の急速な普及で、主要な宅配業者が年間40億個以上の荷物を取り扱うなど、物流量が急増しています。

個人営業の宅配業者も増えていますが、それでも消化できないほどの荷物の量で、今後の対応に黄色信号が灯っています。

特に宅配便の取扱個数が年々増加しており、さらに時間指定や即日配送といったサービスの標準化で、オペレーションが複雑化しており、配達業務の負担がさらに高まっています。

さらに、不在時の再配送が一層問題を大きくしています。

効率化の難しさ

物流の効率化の阻害要因として、配送網の最適化が難しい地域が多く、ラストワンマイル配送(最終区間の配送)のコストなどがあげられています。

とりわけ地方においては、小口配送の人員確保が難しく、道路事情によりロボットによる自動化にも高い壁がある状況です。

IT技術を活用した効率化に、業界全体の足並みが揃っていない現状もあります。

技術革新の遅れと導入コスト

新技術への対応状況

デジタル化やAI、IoTを活用した物流の効率化は、先進的な大手企業では進んでいますが、小規模事業者が多いため、業界全体としては普及に時間がかかっています。

中小企業では、技術導入のための資金が不足しており、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に不可欠なIT人材の確保も高い壁になっています。

導入コストの高さ

自動運転トラック、AIを活用した倉庫管理システム、ドローン配送などの先端技術導入には多額の初期投資が必要であり、企業規模によっては実現が困難で、その対応力には大きな差があります。

テクノロジーが運輸業・郵便業に与える影響

DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展

運輸業・郵便業では、デジタル技術の導入計画が国策レベルで強力に推進されています。

AIを活用した配車システムやIoTセンサーによる貨物管理はすでに一般化しています。

高速道路でのトラック自動運転も実証実験が始まっているので、遠くない未来には自動運転のタクシーが全国を走り回っているでしょう。

これにより、人手不足が解消されると同時に、時間短縮やコスト削減が実現されると期待されています。

自動化・AIの導入事例

自動運転技術やロボットの導入も着実に進めており、配送効率の大幅向上が期待されています。

量子コンピュータの実用と共に、大幅な技術革新があるものと期待されています。

アマゾンやヤマト運輸など物流大手企業間では、配送用ドローンの実証実験が行われるなど、新たな可能性が広がっています。

まとめ

運輸業・郵便業は、鉄道やバス、宅配便、またはビジネス需要のトラック輸送などを通じて、私たちの日常生活や経済活動を支える重要なインフラ産業として社会に大きく貢献しています。

人や物資の移動で産業や社会の橋渡しをして、国内外の経済活動を促進する重要なパイプ役を果たしているのです。

また、EC市場の拡大や国際貿易の増加に伴い、物流の需要は今後もますます大きくなると予想されています。

日本国内においては、陸運や鉄道輸送、郵便・宅配便がそれぞれの特色を活かし、効率的で質の高いサービスを提供しています。

正確な時間と品質の管理は他に類を見ず、そのクオリティーは世界トップレベルと断言できます。

一方、少子化に伴う乗客の減少、高齢化に伴う労働力不足、排気ガスなどによる環境問題、インフラ老朽化、物流量増加への対応といった数多くの課題にも直面しています。

これには、デジタル技術の導入や働き方改革、環境対策投資が不可欠ですが、もはやこれは一企業の問題ではなく、政府、業界、地域社会が一体となって、新たなソリューションを考え、不断の努力で目標を達成する姿勢が求められるでしょう。

今後も社会を支え続ける基盤として、さらなる発展が期待される分野であることは間違いありません。

関連リンク集

利用運送振興会
航空貨物運送協会
日本インターナショナルフレイトフォワーダーズ協会
全国通運連盟
日本冷蔵倉庫協会
日本倉庫協会
日本ロジスティクスシステム協会
日本物流団体連合会
交通エコロジー・モビリティ財団
日本長距離フェリー協会
(社)全日本トラック協会
(社)日本港運協会
日本政策投資銀行
(社)日本経済団体連合会
日本内航海運組合総連合会
日本経済団体連合会(日本経団連)
日本物流団体連合会(物流連)
日本貨物運送協同組合連合会(日貨協連)
運行管理者試験センター
自動車事故対策機構(NASVA)
環境優良車普及機構(LEVO)
陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防)
交通エコロジー・モビリティ財団
日本自動車整備振興会連合会(日整連)
全国中小企業団体連合会
日本自動車会議所
日本自動車連盟(JAF)
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自動車検査登録情報協会
全国霊柩自動車協会
日本ロジスティクスシステム協会(JILS)
東日本高速道路㈱(NEXCO東日本)
中日本高速道路㈱(NEXCO中日本)
西日本高速道路㈱(NEXCO西日本)
首都高速道路㈱
阪神高速道路㈱
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(一社)日本鉄道技術協会
(一社)日本鉄道施設協会
(一社)鉄道建築協会
(一社)日本鉄道運輸サービス協会
(一社)日本鉄道電気技術協会
(一社)日本鉄道車両機械技術協会
(一社)日本鉄道車輌工業会
(一社)海外鉄道技術協力協会
公益財団法人鉄道総合技術研究所
独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
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