家具・装備品製造業の特色やニトリなど業界の代表企業紹介

家具・装備品製造業は、家庭で使う家具やビジネスユースのオフィス家具などを製造する産業です。

家庭やオフィスだけでなく、学校、医療機関、さらには商業施設など、多くの場面で使用される大量生産される装備品も家具・装備品製造業の範疇です。

さらに、土地ごとに地域密着型のものづくりが行われており、伝統技術を活かした製品も生み出す地場の中小企業も家具・装備品製造業に該当します。

テーブルや椅子、収納家具などをはじめ、ショーケースや陳列棚といった商業用什器、専門的な手術台に至るまで、多岐にわたる商品を製造していますが、製品のデザイン性、機能性、耐久性に加え、近年では環境への配慮が、この業界の競争要因となっています。

グローバル市場では、中国やヨーロッパメーカーとの競争が激化していますが、日本企業は、高品質と高デザイン性などを強みに優位性を築いています。

家具・装備品製造業の特色

家具・装備品製造業の特徴は以下の通りです。

製品種類

家庭用、商業用、オフィス用、医療用、教育機関用など、多種多様な用途に応じた製品製造に対応しています。

家庭用ではテーブルや椅子、タンスやベッドなど。

商業施設ではショーケースやディスプレイ什器などが代表的な製品です。

近年では、各分野で顧客ニーズが細分化しており、特注品やカスタマイズ対応の重要性が増しています。

環境への配慮

森林資源を原材料にしているため、SDGsや環境問題への意識の高まりを背景に、家具・装備品製造業でも環境対応が大きなテーマとなっています。

再生可能素材やエコロジー素材の活用、製造工程での省エネルギー化、リサイクル可能な設計への取り組みが進められています。

技術革新とトレンド

家具・装備品製造業においても、IoTなどの先端テクノロジーが注目されており、センサーを内蔵した「スマート家具」やデータを活用してオフィスの効率化を図る「スマートオフィス」など、新たなジャンルの家具市場が開拓されています。

快適な環境の整備により、リモートワークが廃れ、またオフィス回帰がトレンドになるかもしれません。

また、3Dプリンターの活用で、プロトタイプ家具の製作簡素化やオンデマンド製造が可能になりつつあります。

これにより、コスト削減やエコ対応が実現されると同時に、顧客満足度の向上も見込まれます。

産業分類における家具・装備品製造業

日本標準産業分類における「中分類13:家具・装備品製造業」には、家具および装備品の設計・製造を主業務とする企業が該当します。

具体的には以下のような製品群を含んでいます。

  • 住宅用家具(椅子、テーブル、収納家具、ベッド、マットレスなど)
  • 商業施設用什器(ショーケース、陳列棚など)
  • オフィス用家具(ビジネスデスク、パーティション、オフィスチェアなど)
  • 学校・教育機関用家具(机、椅子、ロッカーなど)
  • 医療用装備品(手術台、医療キャビネット、ベッド、マットレスなど)

小分類と細分類

  • 130  管理,補助的経済活動を行う事業所(13家具・装備品製造業)
    • 1300  主として管理事務を行う本社等
    • 1309  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
  • 131  家具製造業
    • 1311  木製家具製造業(漆塗りを除く)
    • 1312  金属製家具製造業
    • 1313  マットレス・組スプリング製造業
  • 132  宗教用具製造業
    • 1321  宗教用具製造業
  • 133  建具製造業
    • 1331  建具製造業
  • 139  その他の家具・装備品製造業
    • 1391  事務所用・店舗用装備品製造業
    • 1392  窓用・扉用日よけ,日本びょうぶ等製造業
    • 1393  鏡縁・額縁製造業
    • 1399  他に分類されない家具・装備品製造業

家具・装備品製造業の代表企業

日本国内の家具・装備品製造業を牽引する代表的な企業です。

株式会社オカムラ

オフィス家具を中心に展開する大手企業で、業界トップのシェアを誇ります。

オフィスチェアやデスクの製品群は高い評価を受けており、デザイン性や人間工学に基づいた快適性で多くの企業から支持されています。

また、環境問題にも積極的に取り組み、製品のリサイクル性向上や廃棄物削減に注力しています。

株式会社オカムラ

スチール家具全般の製造・販売 産業機械その他の製造・販売  金属製建具取付工事の請負  建築業に関わる付帯工事・設計・製造・販売  商品陳列機器その他の製造・販売  各種セキュリティ機器に関わる付帯工事・設計・販売 事務所の環境向上と事務・生産効率向上に関する情報の提供とこれに関連する機器の製造・販売

株式会社イトーキ

オフィス家具や教育施設向けの製品を主力とする大手企業です。

教育現場で使用される机や椅子の分野で高いシェアを持ち、学校用家具の設計・製造で長年の実績があります。

また、オフィス空間の効率化を目指した最新の製品開発にも注力しており、デザイン性と利便性の高い製品を提供しています。

株式会社イトーキ

●オフィス関連事業 ●オフィス建材関連事業 ●設備機器事業 ●公共施設事業 ●ホーム家具関連事業

カリモク家具株式会社

木製家具のトップブランドで、高品質な製品は国内外で人気があります。

特に、家庭用家具では天然木材を使った製品が支持され、伝統的な職人技術と最新の生産技術を融合させた製品づくりが特徴になっています。

カリモク家具株式会社

木製家具製造・卸売業

株式会社ニトリホールディングス

家具製造小売業として広く知られる企業で、テレビCMでもお馴染みです。

「お、ねだん以上。」のキャッチコピーで親しまれ、低価格でスタイリッシュな家具を提供するのが特徴で、IKEAなどがライバルにります。

中国やベトナムなどの海外で生産システムを構築し、消費者に安価な製品を提供しています。

株式会社ニトリホールディングス

家具・装備品製造業の規模

市場規模と出荷額

家具・装備品製造業の市場規模は約2兆円と推定されており、その中でもオフィス家具や住宅用家具が主要なシェアを占めています。

しかし、リモートワーク普及の影響もあり、近年のビジネス市場の規模は全体としては縮小傾向にあります。

一方、住宅リフォーム市場は好調であり、リフォーム時に家具の買い替えを行うケースも多いため、このニーズの獲得が命運を握る可能性があるでしょう。

事業社数と従業者数

事業所数は約4,500か所(うち従業者10人以上の事業所は3,761か所【出典:経済産業省 工業統計調査】)で、その多くが中小企業として地域密着型の製造を行っているため、生き残りをかけた競争は激しく、地域独自の技術やデザインを活用した製品作りを競争力の源泉にしています。

職人の高齢化による廃業や若者の担い手不足が要因で、とりわけ個人事業主数は減少傾向にあります。

一方、ECサイトで家具を購入する流れが加速しており、実店舗を持たないEC専業の家具メーカーは増加しています。

輸出マーケット

日本の家具輸出額は約850億円で、世界市場でも独自のポジションを築いており、特に中国、アメリカ、ヨーロッパにおいて、日本製品は高い品質とデザイン性で広く支持されています。

今後は、越境EC市場に勝機を見出す企業も増えそうです。

まとめ

家具・装備品製造業は、リビングの机や椅子、くつろげるソファー、寝室のベッド、子供用の勉強机などの製品を提供する産業です。

それはオフィスでも同様で、高機能なビジネスデスクやビジネスチェアが快適な労働環境をサポートしてくれています。

地域に根ざした伝統ある中小企業も多く、独自の技術を活かした特色ある製品で小規模ながらも存在感を示しています。

製品の幅広さ、デザイン性と人間工学に基づいた機能性の融合、地域経済への貢献などが業界全体の特徴になっています。

国際市場においても、日本製家具の品質とデザイン性は高く評価されており、今後も新興国市場を中心に、さらなる輸出増が期待されています。

今後は、成長が期待できるEC市場への参入やIT技術を活用した顧客とのコミュニケーション強化(VRやARを活用したバーチャルショールームなど)が重要になりそうです。

家具・装備品製造業は、日本経済や地域社会への影響も大きく、そして国際市場においても多様なニーズを満たす重要な役割を担う産業であるため、さらなる成長の可能性を秘めているといっても間違いないでしょう。