電子部品・デバイス・電子回路製造業の特色や代表する企業

電子部品・デバイス・電子回路製造業は、すべてがインターネットでつながる現代社会において、最も重要で必須の業界といってもいいすぎではないはずです。

スマートフォンやパソコンをはじめとする、あらゆる電子機器の基盤を支えるだけでなく、家電、自動車、産業機械など、電子化が進む製品にパーツを提供する重要な産業なのです。

以前は日本のお家芸といわれた、電子部品(抵抗器、コンデンサ、インダクタなど)、デバイス(半導体、センサ、LEDなど)、電子回路(プリント基板、モジュールなど)を製造・供給する企業が今でも世界を相手に活動しています。

日本は、電子部品・デバイス分野において世界的に高い競争力を持つ国のひとつであることは間違いなく、現状でも世界シェアNO1を持つジャンルもあり、高品質な製品を提供しています。

特に、コンデンサ、プリント基板などの分野では、日本企業が技術力とシェアの両面で強みを発揮しています。

電子部品・デバイス・電子回路製造業の特色

技術革新の速度

電子部品・デバイス・電子回路製造業は、技術革新のスピードが驚くほどに速く、あっという間に周回遅れにされるリスクが特徴のひとつです。

ムーアの法則で知られる通り、半導体をはじめとする電子デバイスの進化は目覚ましく、数年で新しい技術や製品が登場し、これまでの技術を過去のものにします。

また、IoT(モノのインターネット)や5G、自動運転技術の発展により、高性能かつ省エネルギーな部品への需要が急速に拡大しています。

先端技術への研究開発投資を怠れば、一瞬で負け組に転落します。

サプライチェーン

サプライチェーンの複雑さも特筆すべき点になるでしょう。

電子部品は、原材料調達、製造、組み立て、販売までのプロセスが多様化し、異なる業界の企業が連携して、ひとつの製品を作り上げるため、企業同士が一蓮托生の運命になります。

特に、半導体産業では、設計、製造、パッケージング、テストなどが異なる企業で分業されるのが一般的で、ときにこれは他国の企業との連携となるため、この商流の確保が競争の源泉になります。

また、製造拠点のグローバル化も進んでおり、日本国内だけでなく、東南アジア、台湾、中国、欧米にも生産拠点を持つ企業が増えていますが、近年では日本への回帰の動きも見られるようになりました。

電子部品・デバイス・電子回路製造業の規模

規模とシェア

電子部品・デバイス・電子回路製造業の市場規模は非常に大きく、日本国内における電子部品・デバイス・電子回路の総出荷額は約16兆円に達しています。

特に、半導体とコンデンサの分野は市場規模が大きいものの、世界的にも競争が激しい分野で、日本企業が劣勢になっている商品もあります。

世界市場に目を向けると、電子部品産業は数百兆円規模に及び、特に半導体市場は2023年に約6000億ドル(約90兆円)規模と推定され、韓国、台湾、中国、アメリカなどで激しい鍔迫り合いが繰り広げられています。

日本企業は一部の高付加価値製品で強みを持っていますが、全体の市場シェアでは台湾、韓国、米国の大手企業に遅れをとっています。

巨額な設備投資

電子部品・デバイス・電子回路製造業は設備投資が巨額になる特徴があります。

半導体製造装置やプリント基板の生産ラインには高額投資が必要となり、目まぐるしく進化する新技術の導入には継続的な資本投入が求められる上に、周期的に訪れる需要の波により、大量の在庫を抱える場面は避けられないため、費用対効果の見通しが極めて難しくなります。

そのため、企業間格差が広がる傾向があり、優勝劣敗になりやすく、特に最新の半導体技術では、資本力のある一部の企業が市場を圧倒的にリードする構図となっています。

以前は世界を席巻していた日本の電気メーカーが一気に衰退したのは、この継続的な投資競争についていけなかった面があります。

産業分類における電子部品・デバイス・電子回路製造業

電子部品・デバイス・電子回路製造業は、産業分類における中分類28に位置づけられています。

近年は、5G、IoT、自動運転技術の発展により、より小型・高性能・低消費電力な製品の開発が加速しています。

小分類~細分類

  • 280  管理,補助的経済活動を行う事業所(28電子部品・デバイス・電子回路製造業)
    • 2800  主として管理事務を行う本社等
    • 2809  その他の管理,補助的経済活動を行う事業所
  • 281  電子デバイス製造業
    • 2811  電子管製造業
    • 2812  光電変換素子製造業
    • 2813  半導体素子製造業(光電変換素子を除く)
    • 2814  集積回路製造業
    • 2815  液晶パネル・フラットパネル製造業
  • 282  電子部品製造業
    • 2821  抵抗器・コンデンサ・変成器・複合部品製造業
    • 2822  音響部品・磁気ヘッド・小形モータ製造業
    • 2823  コネクタ・スイッチ・リレー製造業
  • 283  記録メディア製造業
    • 2831  半導体メモリメディア製造業
    • 2832  光ディスク・磁気ディスク・磁気テープ製造業
  • 284  電子回路製造業
    • 2841  電子回路基板製造業
    • 2842  電子回路実装基板製造業
  • 285  ユニット部品製造業
    • 2851  電源ユニット・高周波ユニット・コントロールユニット製造業
    • 2859  その他のユニット部品製造業
  • 289  その他の電子部品・デバイス・電子回路製造業
    • 2899  その他の電子部品・デバイス・電子回路製造業

電子部品・デバイス・電子回路製造業を代表する企業

この業界には、世界的に知られる日本企業が多数存在します。以下に、代表的な企業とその特徴を紹介します。

村田製作所

コンデンサをはじめとする電子部品で世界的なシェアを持つ企業です。特に、積層セラミックコンデンサ(MLCC)はスマートフォンや自動車に欠かせない部品であり、高い技術力で市場をリードしています。

株式会社村田製作所

あらゆる電子機器で重要な役割を担う電子部品・モジュールの開発、製造、販売を行っています。

ローム

半導体製品を主力とし、省電力ICやパワーデバイスに強みを持つ企業です。特に、SiC(シリコンカーバイド)半導体の分野では先進的な開発を進めており、EV(電気自動車)向けの市場で成長を続けています。

ローム株式会社

半導体をはじめとする電子部品の開発・製造・販売

TDK

磁気センサやコンデンサ、フィルムコンデンサなどの電子部品を製造する大手メーカーです。ハードディスク向けの磁気ヘッドで高い技術力を誇るほか、5GやIoT向けの新製品開発にも注力しています。

TDK株式会社

電子部品・産業用電子機器の製造・販売

京セラ

電子部品だけでなく、半導体パッケージや通信機器など幅広い分野で事業を展開しています。特に、セラミック技術を活かした電子部品は、多くの産業で採用されています。

京セラ株式会社

ファインセラミック部品、半導体部品、電子部品、切削工具、ソーラー発電システム、宝飾品、セラミック日用品、通信機器などの製造・販売

ソニーセミコンダクタソリューションズ

イメージセンサ分野で世界トップシェアを誇る企業です。スマートフォンのカメラや車載カメラに使用される高性能なCMOSセンサを開発し、業界をリードしています。

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

半導体の設計・開発・生産・カスタマーサービス

まとめ

電子部品・デバイス・電子回路製造業は、便利に進化する現代社会を支える影の立役者です。

スマートフォン、PC、自動車、産業機器など、インターネットでつながるあらゆる機器は、電子部品・デバイス・電子回路製造業なくして成り立ちません。

多分野において不可欠な役割を果たしている重要な産業が、この電子部品・デバイス・電子回路製造業なのです。

技術革新のスピードが速く、常に新しい技術や製品が求められるため、次に訪れるIoT、AI、6G、量子コンピュータ、自動運転技術に備え、より高性能で省エネな電子部品の開発に余念がありません。

日本企業は、電子部品・デバイス・電子回路製造業界で長年にわたり高い技術力を誇ってきましたが、近年はグローバル競争が激化し、台湾、韓国、中国企業の台頭でやや劣勢になっています。

それでも、日本メーカーは高付加価値製品への特化で競争力を維持しており、特定の市場では唯一無二の技術で世界的なシェアを確保しています。

今後の成長の鍵は、新技術の開発とグローバル戦略にあるでしょう。

半導体製造では、生産工場の国内回帰が見られ、お家芸復活が期待されています。

その他、パワーデバイスや次世代通信技術に関連する分野では、日本企業がこれまで以上に重要なプレイヤーとして存在感を示すると期待されます。

関連リンク集

経済産業省(METI)
特許庁(JPO)
国土交通省(MLIT)
(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
WSTS(世界半導体通商統計)
(一社)電子情報技術産業協会(JEITA)
東北大学省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター
(一社)半導体産業人会(SSIS)
有機エレクトロニクス研究センター
SEMI JAPAN
(一社)日本工作機械工業会(JMTBA)
(一社)日本工作機器工業会(JMAA)
(一社)日本真空工業会(JVIA)
日本精密測定機器工業会(JPMIMA)
(一社)日本電気計測機工業会(JEMIMA)
(一社)日本分析機器工業会(JAIMA)
(一社)日本ファインセラミックス協会(JFCA)
(一社)日本ロボット工業会
(一社)新金属協会
(一社)日本電子デバイス産業協会(NEDIA)
(一社)日本電気制御機器工業会(NECA)
(一財)インターネット協会
(一社)エレクトロニクス実装学会
(一財)海外通信・放送コンサルティング協力
(一財)家電製品協会
(一財)関西情報センター
(公社)企業情報化協会
(公財)光科学技術研究振興財団
(一財)国際アイティー財団
(一財)国際情報化協力センター
(一財)コンピュータ教育推進センター
(公財)NEC C&C振興財団 
(一社)システム科学研究所
(一社)私的録音補償金管理協会 
(一社)私的録画補償金管理協会
(一社)情報サービス産業協会 
情報処理教育研修助成財団奨学金
(一社)情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)
(財)人工知能研究振興財団
(財)政策科学研究所
(一財)ソフトウェア情報センター
(一財)武田計測先端知財団
(一財)知的財産研究所
(一財)デジタルコンテンツ協会(DCAJ)
(一社)電気通信協会
(一社)電子情報技術産業協会
(一社)電池工業会 
(一財)電波技術協会
(公財)中谷医工計測技術振興財団
(一社)日本オーディオ協会
(一社)日本コンピュータシステム販売店協会
(一社)組込みシステム技術協会
(一財)日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
次世代電子商取引推進協議会(ECOM)
EDI推進協議会(JEDIC)
(一社)コーディネーションセンター(JPCERT)
(一社)日本情報システム・ユーザー協会
(一社)日本照明工業会
(一財)日本総合研究所
(一財)日本データ通信協会
(社)日本電化協会
(一社)日本電気計測器工業会
(一社)日本電気制御機器工業会
(一社)日本電子回路工業会
(一財)日本電子部品信頼性センター
(一社)日本ネットワークインフォメーションセンター
(一社)コンピュータソフトウェア協会
(一社)日本配線システム工業会
(一財)ニューメディア開発協会
(公財)ハイパーネットワーク社会研究所
(一社)発明推進協会
(一財)光産業技術振興協会
(一社)ビジネス機械・情報システム産業協会
(一財)ファジィシステム研究所